秋の特別伝道集会は、紅葉も進む晩秋の11月20日(日)に開催されました。
今年はヴォーリズ病院ホスピス長・細井順先生をお招きして特別礼拝と午後に講演会を持ちました。
主日礼拝は「神の御手の中で歩む人生」という題で奨励をしていただきました。先生ご自身、がんという大病を経験され自分が神様に生かされている「いのち」であることを実感されました。その思いを、人生の中で示された御言葉を通して説きあかしてくださいました。特に印象に残ったのはキューブラー=ロスの『死を意識した時から本当の人生が始まる』という言葉です。自分自身は意識の片隅に「死」を追いやり死が自分にはないかのように日々過ごしています。
つまり死をあまり意識できない私は本当の人生を歩んでいないのでしょう。高齢者のあこがれのように言われる「ぴんぴんころり」も家族に負担をかけないという意味では理想かもしれませんが、最後の時に人生の集大成を生きることはできないのです。細井先生が患われたがんという病気、人間の健康を蝕んで寄生するやっかいな病ですが、終わりの時間を与えてくれるという意味においては理想の病気と言えるのかもしれません。ホスピスとは「神のみ手にある」人生そのものであり、神に委ねて歩む平安な人生なのでしょう。
礼拝後は、深見先生より講師細井先生の紹介がなされ、昼食のひとときを持ちました。その後、正午より『受けつがれる「いのち」を見つめて』と題して講演会を行いました。講演会は、司会の祈祷で始まり、レジュメに沿って先生が分かりやすく話してくださいました。先生が今実践されているホスピスの現場を通して「いのち」の本質を見つめ、終わりの時、私たちに与えられた生き方を示唆してくださいました。私たちにとって密接であるにもかかわらず、正面切って考えることの少ない「生と死」について向き合うことができた機会に感謝申し上げます。