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執筆者の写真hachimankyoukai

10月28日(日)教会学校礼拝



今年の5月2日92才で亡くなられた絵本作家の加古(かこ)里子(さとし)さんのおはなしをしました。

32才ではじめて「だむのおじさんたち」を創り、その後60年のあいだに600点超の作品を世に送り出しました。「かわ」「宇宙」「海」などの緻密かつ壮大な科学絵本では、自然の豊かさや地球が人間だけのものではないことを教えてくれます。「だるまちゃんシリーズ」や「からすのパンやさん」など思わず笑ってしまう楽しい絵本など多岐にわたる作品は半世紀を過ぎてもなお増刷されるなど、こどもたちだけでなくおとなにも愛されています。「おたまじゃくしの101ちゃん」は、聖書のなかの「1匹の子羊」を連想させてくれます。

 日本の昔から伝わる伝承遊びをまとめ、次の時代に伝えていくという仕事もされていました。

 加古さんが楽しい絵本を描き続けたのは、こどもがこどもらしく遊んだり生活できる平和な社会への思いが込められていたのではないでしょうか。

 加古さんが子どもたちに注ぐまなざしは「神の国はこのような者たちのものである」(マルコによる福音書10章14節・15節)と語られたイエス様のことばのようです。

 卒寿を過ぎてなお「書きたいテーマがまだ300ある」と、見えづらくなった視力にたじることなく、亡くなる直前迄創作意欲は衰えませんでした。

 そんな加古さんの願いであった戦争の本質を描く試みは、何度も企画を立てながらも実現に至りませんでした。戦争の悲惨さだけでなく、政治や経済のしくみとあわせて、なぜ戦争に至るのかをこどもたちに分かるように描きたいと思っていたそうです。昭和20年、敗戦の年19才だった加古さんの戦争への思いを、私たちいまのおとなが次世代に伝えていかなければなりません。

 加古さんが生まれた福井県越前市には「かこさとしふるさと記念館」があります。


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